子どもの虐待の原因として、特に今の日本での子育ての厳しさがあります。
行動生態学においてヒトは
メスのみが子育てをする動物(哺乳類の多く)ではなく
両親そろって子育てをする動物(鳥類の多く)でもなく
両親以外の、血縁、非血縁含む多くの個体が子育てに関わる
「共同繁殖」の動物だそうです。
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1.ヒトはみんなで育児する
2.中国とフランスの子育て
3.一人で(二人で)頑張らないで
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1.ヒトはみんなで育児する
明治より前の日本では、武家では乳母(うば)が子育てして母親は子育てしなかったし
庶民は長屋や村全体で子育てし、母親が孤立することが少なかった。
現代の日本の子育ての孤立化は、ヒトの子育て「共同繁殖」に反しています。
最近はイクメンやイクボスなどという言葉ができていますが、そもそも、両親だけで育児をすることさえ「共同繁殖」ではない。
子どもは学校、保育園から、友達、近所のおじさんおばさん、祖父母や親せきのおばちゃん、近所の子どもの親など
皆とかかわり、いろんな体験をして世の中を知るもの。
2.中国とフランスの子育て
中国では祖父母が孫を育てるのは普通です。
はじめて中国人の友達がわが子を中国の祖父母に預けて、日本で働いていることを聞いた時驚きました。
さみしくないの?
さみしいけど中国では普通よ。と友達は言いました。
中国の母親の8割以上は日常の子育ての支援者として「祖父母・親せき」をあげると言います。
一人っ子政策や、家族のつながりを大切にするという文化もあるかもしれない。
フランスは2019年度出生率1.87人、
(日本は1.36人)
フランスでは「子育ては大変なこと」という認識が基本的にあるらしいです。
そもそも妊娠することから、女性の意思が尊重されていて
フランスでピルの使用率は41%
(日本は1%未満)
緊急避妊薬を未成年には匿名で無料配付、中高校生は学校にいる看護師から匿名で受け取れるそうです。
出産関係費は無料、6歳までの子どもの受診料は基本無料。
3歳から全員・無料の公立幼稚園に入り、6歳未満の保育・教育には日本の6倍の公的資金が払われているという。
子どもを育てるために社会全体が親を支援するという考え方です。
3.一人で(二人で)頑張らないで
母親の人生において、もちろん父親も、子育て期間にはいろんなことが起こります。
ましてこのコロナ禍、安定した満足のいく収入を得ている親はどれだけいるだろう。
気持ちや生活に余裕のある親なんているんだろうか。
二人(または一人)だけで子育てをすることがそもそも無理なのです。
わたしたちは「共同繁殖」するヒト、なんです。
だから一人で(二人で)頑張らないでほしいのです。
中国やフランスほどではなくても、子育てを支援するしくみや人はどんどん増えています。
周りを見回して、助けてくれるツールを探してほしいのです。
#虐待 #共同繁殖 #母親神話 #社会が支援
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